【この記事を監修した人】
- 保有資格:国家資格キャリアコンサルタント/国家資格2級キャリア・コンサルティング技能士/CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
- 高校・大学での就職研修講師、職業訓練校・就職支援センターでのキャリアカウンセリング、「マイナビ就職EXPO」「doda転職フェア」へキャリアカウンセラーとしての参加など、神奈川県を拠点に幅広く就職支援を行う。
- また、採用・昇進評価に関わる人事側からの的確な目線に定評があり、行政機関・民間企業から人材アセスメント(第三者判定)としての委託を複数受け持つ。
目次
20代前半の転職はポテンシャル重視
同じ20代でも、前半の「20~24歳」、後半の「25歳~29歳」では転職活動の仕方や企業から求められるものが異なります。
企業が重視している点 |
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対策 |
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【20代前半】という年代は、転職市場においては第二新卒としてあつかわれ、そのポテンシャルの高さからとても需要が高い年齢層です。
企業の採用担当者は20代の転職希望者に、「若いし、うまく定着すれば自社で長いこと活躍してくれる人材になりそうだ……!」という期待を寄せています。
スキルや経験は後からでも身に着けられますし、採用担当者もそのことは百も承知です。
ゆえに20代前半の転職では、新しいスキルや仕事を習得するための「意欲」が評価されやすいのです。
また、1社目を早期に離職していることから、その会社独自の習慣や業界のカラーに染まっておらず、固定観念や偏見を持っていないというのも魅力です。
加えて1社目でビジネスマナーなどの教育を受けているであろうことが考えられるため、教育コストの軽減も期待できます。
このようなメリットの多さから、20代前半(第二新卒)の転職は企業にとって受け入れやすい土壌が整っていると言えます。
未経験者を受け入れている企業も多いですので、「新卒時の就職活動に失敗したから、キャリアプランの見直しをしたい……」という人はポテンシャル採用を狙った転職活動をしてみましょう。
20代後半の転職はスキル重視で即戦力への期待が高い
一方の20代後半は伸びしろよりも、これまでのキャリアで身についているスキル面が重視されがちです。
企業が重視している点 |
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対策 |
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20代後半ともなれば、就業中の職種の経験は多くの場合複数年となっており、「すでにルーチンワーク以上の仕事はこなせるだろう」と企業は期待しています。
そのため、この年齢層は即戦力として働いてくれることを期待した経験者のみ応募可とする求人が多くなります。
即戦力であること以外にも、若い力と発想力を持って部署を引っ張っていくリーダーシップを当てにされることもあります。
日本の転職市場は20代がメインで、30代からは求人自体が減っていきます。
つまり、転職市場における市場価値に関して言えば、20代後半はそれ以降の年代と比べて、転職に有利である年齢だと言えます。
同業種・同職種への転職なら年収アップを狙うこともできます。
しかし注意点として、即戦力で年収アップを達成できる転職をするということは、企業からそれ相応の能力を求められるということにもなります。
もし転職先で年収に見合った十分な仕事ができなければ、思うように年収も上がらず、社内で白い目で見られるようなこともあるかもしれません。
そのため、転職先は入念に検討したうえで、不足しているスキルがあれば現職に留まり、十分なスキルが身に着くまで勉強を重ねることも大切です。
20代に共通する転職成功の準備と考え方
この章では、20代に共通した転職成功の準備と転職についての考え方をお話していきます。
将来のキャリアプランを明確にする
キャリアの浅い20代の転職者は、面接時に転職に至った理由を徹底的に聞かれるでしょう。
そのようなとき、「自分はどうして転職したかったんだろう?」と考え込むようでは、「転職理由がはっきりしていないし、入社後大丈夫だろうか……」と面接官からマイナスの印象を持たれてしまいます。
このような事態を避けるためにも、今後30代、40代の自分がどういった仕事をしていきたいかを考え、その実行のために転職したと自信を持って言えるようにしておきましょう。
自己分析と企業研究をしっかりする
- 自分が本当に就きたい仕事は何なのか
- 受けようとしている企業ではその希望がかなうのか
企業のことを事前にしっかり調べ、考えておかなければ転職者と企業のミスマッチが発生する可能性が高くなります。
職種や仕事内容との適性、職場環境、さらには給与や労働時間のミスマッチが生まれると次第に労働への意欲を失くしていき、気が付けば何度も転職してしまうという事態を招いてしまうおそれもあります。
体力も気力も使う転職活動を何度も繰り返すのは負担も大きいものです。
自分が本当に就きたい仕事へ転職するためにも、自己分析や企業研究にはじっくり根気を持って取り組みましょう。
転職活動は在職しながらおこなう
「これまで長いこと働いたし少しだけ休憩しようかな……」
こう考える20代の方も多いでしょうが、休憩をするのは必ず転職先が決まってからにしましょう。
退職してからの転職活動には、一日の時間の多くを転職活動に割くことができるメリットがありますが、その裏には2つの大きなデメリットが潜んでいます。
- 収入源が途絶えることから転職活動を焦ってしまう
- 職歴に空白期間ができ、選考で不利にはたらくおそれがある
転職活動を焦ると、詳細な自己分析ができていなかったり、一社単位の企業研究に掛ける時間が少なくなったり、といった準備の不足が生まれてしまいます。
こうなると、職務経歴書の内容が浅かったり、面接の際に突っ込まれた質問に対して有効な回答ができなかったりと、選考に落ちる可能性が高くなってしまいます。
さらに、選考に落ち続け経済的に切迫してきた結果、「受かったのならこの際どこでもいいや……」とやけを起こして、本来入社の意志を持っていなかった企業へ転職してしまう可能性も否定できません。
そのため、転職を考えてもいきなり仕事を辞めるのではなく、ゆっくりと準備を進め在職しながら転職活動をおこなうようにしましょう。
ただ、現在の仕事が心身に多大な負担を及ぼしているような状況であれば話も変わってきます。
無理に仕事を続けず、経済面での対策を講じながら今後の転職先を探していきましょう。
異業種と異職種、未経験の転職は20代がチャンス!
異業種・異職種への転職は20代のうちがチャンスです。
- 20代はまだ最初に入社した会社の色に染まっておらず、新しい環境にもなじみやすい
- 20代は仕事の覚えが早い
- 自社へ定着してくれれば、長期にわたって活躍してくれる人材になる
企業側は、以上のような20代の価値に魅力を感じ、20代の未経験転職者を受け入れています。
20代前半の7割、20代後半の6割が異業種へ転職している
出典:doda 未経験の業種・職種に転職できる可能性はどれくらい?
※2014年時点のデータです。
このグラフからわかるように、20代での転職では未経験である異業種への転職が圧倒的に多いです。
とくに20代前半での転職は、全体の7割以上が「未経験業種への転職」となっており、新卒入社した会社から異業種へ転職する人がほとんど。
20代の転職の軸は、他の年代と違って「これまでのキャリアを伸ばす」というよりも、「新たなキャリアの可能性を探す」ことだと考えている人が多いのでしょう。
「転職でこれまでのキャリアとはまた違った新たな可能性を探したい」という方は、20代のうちにかなえるべきです。
未経験の人材を積極的に採用している業種
リクルートワークス研究所のデータから、中途採用における未経験者比率の高い業種を調べました。
建設業はオリンピックや活発な都市の再開発、震災復興の面で人手不足が課題となり、小売業は飲食料品や医薬品・化粧品の伸びが好調です。
また、こちらは厚生労働省が人手不足の業界を調査したデータです、下記の4つの業界が人手不足であることから需要が見込まれています。
人手が不足しているおもな業界
- 建設業界
- 運輸・郵便業界
- 医療・福祉業界
- 宿泊・飲食サービス業界(※コロナ禍により現在は大きなダメージを受けています)
企業は求人に人が集まらないと、募集する条件を緩くしたり待遇アップをすることもあるため、未経験からの転職を目指すならおすすめです。
2021年1月転職市場の動向
上記の「未経験の人材を積極的に採用している業種・人手不足の業界」は新型コロナウイルス発生以前のデータとなります。
各社の採用計画も見直しがされており、求人倍率が落ち込むなか転職市場は厳しい状況を迎えています。
一人で早まった選択をせず、業界に詳しい転職エージェントを利用したり、信頼性の高いニュースサイトで転職市場の最新動向を追うなど、積極的な情報収集を心掛けてください。
20代で未経験転職を目指す方におすすめの職種
未経験の方におすすめしたい職種を、こちらでは2つご紹介していきます。
営業職
顧客の課題解決のために商材の売り込みをしたり、サービスの契約を結ぶのが営業職の仕事です。
どこに何を販売するかは、業界や企業によって異なります。
自社の利益をダイレクトに上げられる仕事ですが、基本的に特別な資格などは必要無いため、未経験からでも挑戦しやすい職種であると言えます。
また、営業職のなかでも、有形商材(車など物質的なもの)と無形商材(物質的に形の無いWebサービスなど)、法人営業や個人営業などスタイルには違いがあります。
そのため、自分の適性に合わせて何を営業していくのか決定していくと良いでしょう。
介護職
少子高齢化の影響が大きく深刻な人手不足に陥っている介護職は、未経験からの転職におすすめできる職種です。
介護職と言っても幅広い仕事がありますが、たとえば訪問介護員(ホームヘルパー)になるためには、「介護職員初任者研修」を受け試験に合格する必要があります。
介護職への入門資格でもあるこの資格は合格率こそ発表されていないものの、難易度は低いと言われています。
介護職員初任者研修の取得後は「介護福祉士実務者研修」を修了すれば、訪問介護サービス全体を計画・管理する立場であるサービス提供責任者を目指すこともできますし、国家資格である介護福祉士の受験資格を得ることもできます。
このように資格を取得していくことで着実なキャリアアップを目指せる点も、介護職の魅力の1つであると言えます。
さらに、資格の取得に必要な費用を事業者側で負担してくれたり、大手事業者では自社で介護職員初任者研修を開講していたりと、業界として労働者の資格取得に力を入れている点もポイントです。
働く企業に左右されるところはありますが、女性にとっては結婚・出産後の復職もしやすく、育児中は時短勤務も可能なこともあるため自分の生活に合わせた柔軟な働き方ができます。
このように介護職は未経験でも挑戦しやすく、業界の将来性も高い職業であると言えます。
dodaの転職求人倍率レポートでは、dodaエージェントサービスのデータから、毎月職種別の転職求人倍率を発表しています。
「転職求人倍率が高い職種=未経験転職を目指す20代におすすめの職種」であるとは一概に言えませんが、こちらも転職先を選ぶ参考になるでしょう。
今回は営業職と介護職をご紹介しましたが、20代であれば応募可能な未経験求人は多数ありますので、まずは幅広く求人を見て転職先を検討してみましょう。
異業種・異職種への転職を成功させるポイント
20代での異業種・異職種への転職を成功に結び付ける2つのポイントご紹介します。
- 異業種・異職種でも使えるスキルを整理する
- 資格を取得しやる気をアピール
異業種・異職種でも使えるスキルを整理する
第一に、今までとはまったく異なる仕事先でも活用可能なスキルをしっかり整理しておくことです。
業界・職種が変わっても応用の効くスキルを「ポータブルスキル」と呼びます。
【ポータブルスキル】
成果をあげるために重要な行動 | 職務遂行上、特に重要であるもの |
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課題を明らかにする | 現状の把握 課題設定に先立つ情報収集の仕方や内容、情報分析など |
課題の設定方法 設定する課題の内容(会社全体、事業・商品、組織、仕事の進め方の課題) |
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計画を立てる | 計画の立て方 計画の期間、関係者・調整事項の多さ、前例の有無など |
実行する | 実際の課題進行 本人の役割、スケジュール管理、関係者、柔軟な対応の必要性、障害の多さ、成果へのプレッシャーなど |
状況への対応 柔軟な対応の必要性、予測のしやすさなど |
【人との関わり方に関するポータブルスキル】
対人マネジメントで重要なこと | 職務遂行上、特に重要であるもの |
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社内対応 (上司・経営層) |
指示に従う必要性、提案を求められる程度、社内での役割期待など |
社外対応 (顧客、パートナー) |
顧客、取引先、対象者の数、関係の継続期間、関係構築の難易度など |
部下マネジメント (評価や指導) |
部下の人数、評価の難しさ、指導・育成が必要なポイントなど |
プログラミングができるだとか、法人営業の経験があるといった具体的なスキル(テクニカルスキル)はなくとも、このポータブルスキルがあれば、転職先の異業種・異職種の企業で有効なアピールをすることができます。
たとえば今までWebマーケティングの仕事をされていた方が、経理の仕事へ転職するとしたら、「アクセス解析をしていた経験から数字に強い」というアピールが可能です。
未経験の仕事を志望したとしても、コミュニケーション能力や調整力、マネジメントスキルなど転職先の企業で活かせる強みが自分にないか、スキルの棚卸しをしてみてください。
資格を取得しやる気をアピール
異業種・異職種の人材を採用するということは、企業は教育コストを払わなければならないということです。
企業としては、採用と教育にかけたコストを回収するため「未経験者であっても、一刻も早く戦力に育って企業へ貢献してほしい」という想いがあります。
その感情を汲み、選考を有利に進めるためにも転職先の企業で役立つ資格を取得している、または勉強していることをアピールしてみましょう。
うまくいけば、「仕事への熱意が高く、入社後もどん欲に成長してくれそうな人材だ」と採用担当者に受け取られるでしょう。
また、選考時だけの話ではなく、事前に知識をたくわえておくことで入社後スムーズに仕事になじめるというメリットもあります。
20代の女性と男性では転職の考え方は違ってくる
20代の男女ともに共通する転職理由はたくさんあります。
- 残業時間が多い
- 給料・年収が少ない
- 他にやりたい仕事がある など
しかし、同じ20代でも「20代前半の転職」と「20代後半の転職」が異なるように、「20代女性」と「20代男性」の転職事情も違ってきます。
20代女性は結婚や育児などのライフイベントを考慮するケースがある
女性は結婚・出産・育児などのライフイベントが、働き方に大きく影響をおよぼします。
そのため、定年まで働き続けることが一般的な男性とは違って、女性の転職に対する事情は少し異なります。
女性はライフイベントにより、働き方を変える必要に迫られることがあるため、
- 育児休暇がとれる企業へ転職したい
- 時短勤務が可能な企業へ転職したい など
こういった男性にはない転職の条件があるからです。
採用する側も、近い将来に結婚や出産などのライフイベントを控えている20代女性の採用には慎重になる傾向があります。
なぜならば、結婚や育児休暇による早期退職・長期休暇の懸念があるからです。
20代女性が転職を成功させるためには、それらの採用側の懸念をクリアにしていく必要があり、その点は男性よりも難しいと言えるでしょう。
詳しくは下記の記事で解説しています。
20代女性の悩みは女性専門のエージェントに相談
20代女性の方が転職活動でエージェントを利用する際は、女性専門の転職エージェントを利用することをおすすめします。
女性の転職に理解があるため、育児休暇や結婚を前提とした制度が整っている企業を見つけるのに役立つでしょう。
20代の女性におすすめの転職エージェントは別記事でも紹介していますので、今後の転職活動に役立ててみてください!
「転職活動がうまくいかない……」20代が悩みがちな4つのポイント
既に転職活動を始めてはいるものの、なかなか選考に通らず悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
しかし、対策を万全にしていれば将来性が高い20代の転職は、決して難しいことではありません。
ここでは、20代の転職で失敗しやすいポイントと成功のコツを共に解説していきます。
20代の転職で失敗しやすいポイント
- 退職理由がネガティブ
- 自分に自信が無い・逆に自信過剰すぎる
- 自己分析・企業研究が不足している
- 目的が転職をすることだけになっている
退職理由がネガティブ
たとえば、「周りの人間とコミュニケーションが取れなかったので辞めました」というような、他者に責任をなすりつけるような退職理由はネガティブな印象を持たれやすく、採用担当者からの目も厳しくなるでしょう。
なぜならば「弊社でも同じようなことを繰り返して、また退職してしまうのではないか?」という懸念を抱かれるからです。
そのため、退職理由・転職理由を伝えるときは「前の職場が嫌だから辞めた」というような理由はNGです。
前職は同僚と一致団結できる環境ではなかったため、風通しの良い社内風土がある御社でチーム一丸となって一生懸命仕事に取り組みたいと考えました
このように、自発的かつ意欲的な理由を伝えるようにしましょう。
自分に自信が無い・逆に自信過剰すぎる
自信が不足していると、職務経歴書の自己PRや面接時の話し方に影響が出て、企業へのアピールがうまくいかないことがあります。
とくに面接時は話す内容が消極的であったり、暗い心情が表情へにじみ出ていたりすると、採用担当者からはマイナスの印象を持たれるおそれがあります。
このようなときは、なぜ自分は自信を持って転職活動に励むことができないのか、もし不安があればそれをどう解消していくのか、自問自答を繰り返していくと良いでしょう。
一方で、やたら自信過剰な態度でいることもこれはこれで問題です。
実力以上の成果を上げられると豪語したり、客観的な実力からかけ離れた自己評価をしていると採用担当者から反感を招く危険性があります。
とくにシビアな目標が求められる成果の話をしている場合などは、「現実的に物事を考えられない人間だ」と捉えられてしまうこともあるでしょう。
やる気は大切ですが、自分自身を大きく見せすぎないように自己を客観視することも、ときには必要です。
自己分析・企業研究が不足している
「自己分析」と「企業研究」は、20代の前半や後半にかかわらず転職活動の軸となるポイントです。
このどちらが欠けていても転職活動がうまくいくことはありません。
仮に転職が決まっても志望先の企業でミスマッチが発生する可能性もありますので、丁寧に時間をかけておこないましょう。
目的が転職をすることだけになっている
- 志望先の企業で何をしたいのか
- その会社へ入社すれば自分の希望にマッチした働き方ができるのか
このような転職後の視点が抜け落ちて、とにかく今の会社を辞めたいという一心だけで転職活動を進めても転職はうまくいきません。
「本当にその会社へ入社したい」という熱意は言葉や態度に表れるものです。
意欲が欠けていると、面接時に突っ込まれた質問へ答えられないというような事態も起きるでしょう。
現職の問題点や自分の至らなかった点を洗い出し、今度こそどんな職場へ行けば自分らしく生き生きと働けるのか、じっくり考えてみましょう。
ここまで、転職活動がうまく進まないポイントを4つ紹介してきましたが、時間も気力も浪費する転職活動は簡単ではありません。
一人で行き詰まっている場合は、積極的に人へ相談をしてみると良いでしょう。
20代が転職する時期・タイミングはいつ?
転職の時期やタイミングに関する悩みは大きく分けて2つあります。
- 20代の転職は何年目におこなえば良いのか
- 転職活動は何月頃におこなえば良いのか
この2つの疑問についてそれぞれ解説していきます。
20代の転職は何年目におこなえば良いのか
「経験職種へ転職する」か、「未経験職種へ転職する」かでこの回答は変わってきます。
未経験職へ転職するならば早めがおすすめ
未経験職への挑戦であるならば、基本的に早ければ早いほど良いと言えます。
なぜならば早く転職すればするほど、転職先の職種での経験値を多く積むことができるからです。
今後を見すえてその職種を志望しているならば、現在の職種にとどまっている意味は薄くなります。
さらに未経験求人は、経験不問であることから、良い求人には業種・職種の垣根を越えて応募が殺到することが考えられます。
採用が決まればその求人は募集終了となってしまいますので、早めに動き出した方が賢明であると言えます。
経験職種への転職はある程度実績を積んでから
一方で、経験職種への転職は、早ければ早いほど良いというものでもありません。
もちろん、ライバルが先んじて求人に応募することはあり得ますが、転職市場がその年齢に求めるレベルに、自分の能力が達しているかどうかが大切です。
自身の市場価値や適正年収を客観的に考慮し、まだ市場に求められるレベルに達していないのであれば、しばらくは現職にとどまり経験を積んだ方が良いでしょう。
もし達していないにもかかわらず転職先が決まってしまったとしたら、求められる仕事ができないことから、周囲と折り合いが悪くなってしまったり、キャリアの成長のステップをうまく踏めないおそれがあるからです。
転職活動は何月頃におこなえば良いのか
市況にも左右されますが、一般的に1~3月、7~9月が転職市場の求人が増えやすい時期であると言われています。
1~3月の求人が増えやすい理由
- 採用担当者が新卒と同タイミングでの採用を狙っている
- 新卒の内定辞退者と転職者の欠員補充
- 人事異動や転勤、新規事業の立ち上げに伴う人員補充
7~9月の求人が増えやすい理由
- 新卒採用のシーズンが終わり、内定者の数を見て不足分を補おうとする
- 下半期のスタートのタイミングに合わせて、後任の補充や新規事業の立ち上げメンバーを募集する
未経験の業種・職種へ飛び込む20代であれば、新卒と同じタイミングでいっしょに教育を受けられたり、転職後の研修が手厚くなり職場へなじみやすくなることが期待できる1~3月の応募をおすすめします。
ただ、これらはあくまで参考であり、業種や職種・企業によって実際に求人が出る時期には違いがありますのでその点は考慮しておく必要があります。
また、近年では経団連が従来の新卒一括採用の見直しを試みたことから、通年採用を検討する企業が増えていく流れができたりと企業の採用活動も多様化しています。
転職の時期・タイミングにこだわりすぎる必要は無い
転職時期に固執しすぎても、下記のような失敗を招いてしまうおそれがあります。
- 希望の求人が1~3月、7~9月に出ているとは限らない
- 転職時期を意識しすぎた結果、入社したい企業の求人募集が終了してしまう
- 職場環境が劣悪である場合、早期に退職をしないと心身に悪影響が出る
- 転職活動を焦り失敗してしまう
- ボーナス支給前に退職してしまう
このなかでも、とくに注意したい点は現在の職場環境が心身に多大な悪影響を及ぼしている場合です。
その後の人生にまで職場の問題を引きずるおそれがありますので、転職の時期・タイミングを意識しすぎて職場に長くとどまり続けることは極力避けましょう。
そして、現在は新型コロナウイルスの影響から、企業も求人を出すタイミングを慎重に見計らっています。
厚生労働省が毎月公表している求人倍率や、転職市場に詳しいキャリアコンサルタントのコラム、転職エージェントからの情報などを参考にし、自分にとってベストな転職時期を考えていきましょう。
また、「20代が転職活動に必要な期間」は1万人への調査をおこなったエン転職の転職活動実態調査によると、1か月以内が29%、3か月以内が53%というデータがあります。
もし時期にこだわるのであれば、「転職活動には大体3か月ほどの期間がかかる」と覚えておくと良いでしょう。
転職方法とおすすめ転職サイト・転職エージェント
転職には主に以下の方法があります。
進め方 | 詳細 |
---|---|
転職エージェント | 転職活動に関するほぼすべてのことを無料でプロにサポートしてもらえる |
転職サイト | サイトを活用して求人情報探しから、応募・日程調整まで自力でおこなう |
リファラル採用 | 知人の紹介で転職先を見つける |
ハローワーク | 求人情報の検索や求職の申し込みの仮登録をインターネットでおこない、その後ハローワークに出向いて手続きをする |
直接応募 | 企業のホームページから応募する |
このなかでも転職を希望している20代の人におすすめできるのが、転職エージェントの活用です。
なぜなら、20代の転職活動に必要な以下のステップをすべて「無料」でサポートしてもらえるためです。
転職エージェントの主なサポート内容
- 転職者にマッチした求人探し
- 履歴書・職務経歴書の添削
- 面接対策
- 応募、日程調整
- 給与などの条件交渉
- 内定後のフォロー
【属性別】20代に合ったおすすめ転職サイト・転職エージェント
しかし、20代と一口に言っても、以下のようにさまざまな属性の人がいます。
- 第二新卒
- 既卒
- フリーター
- 20代後半
- 女性
転職サイトやエージェントはどれでもよいわけではなく、自分の属性や状況に合ったサービスを利用しましょう。
ここでは20代で転職を考えている人をいくつかのパターンに分け、それぞれの属性に合ったサービスを紹介していきます。
属性 | |
---|---|
|
1.第二新卒エージェントneo 2.doda 3.ウズキャリ 4.マイナビジョブ20s |
|
1.リクルートエージェント 2.パソナキャリア 3.type転職エージェント |
|
1.ウズキャリ 2.ハタラクティブ 3.JAIC 4.DYM就職 |
|
1.パソナキャリア(女性向け) 2.doda 3.type女性の転職エージェント |
各転職エージェントの詳しい情報については、別記事でも詳しく紹介しています。
20代の転職者の平均年齢は何歳?
周りに転職した人がいないんだけど、20代で転職している人って実際どれくらいいるんだろう?
このように考えている方もいるかもしれませんが、厚生労働省の調べによると大卒者の3割は入社3年以内に離職しているというデータがあります。
さらに中卒者では6割、高卒者・短大卒者は4割が同じく3年以内に離職しています。
あくまで離職率に関してのデータであるので、結婚して家庭に入った等の事情でその後就業していない方も含まれているでしょうが、年齢を考慮すると3年以内に離職した多くの方はその後転職活動をしていると考えるのが現実的です。
ここで転職大手サービスのdodaの「2007年~2019年の間に自社エージェントサービスで転職をした20万人の転職年齢を調査したデータ」から、転職成功者の年齢を見てみましょう。
こちらのデータによると20代から40代の間でもっとも転職成功者の割合が大きいのは20代後半ということになります。
さらに、20代前半と後半の数値を合算すると、全体で50%近い割合になり、20代の転職者がそれ以降の年代の転職者と比べていかに多いかがわかりますね。
転職にリスクはある?見落としがちな3つのデメリット
キャリアプランがしっかり描けていれば、20代の転職は長期的にはプラスになることが多いでしょうが、その裏にはリスクやデメリットも隠れています。
転職のデメリット
- その会社で積み上げた経験がリセットされてしまう
- 人間関係がリセットされる
- 一時的に給与が下がってしまう可能性がある
その会社で積み上げた経験がリセットされてしまう
どの会社にも独自の仕事の進め方というものがあるでしょうが、転職をすると転職先の仕事を一から覚え直さなければなりません。
「そんなことはとっくにわかっている」と思われるかもしれませんが、新卒で入社した頃のことを思い出してみましょう。
同業種・同職種であれば覚えなければならない仕事というのも少なくなりはするでしょうが、一から仕事を覚えるのは相当に大変だったはずです。
仕事に慣れて一人前の戦力として働けるようになるまでは、残業をしたり休みの日に勉強をしたり、肉体的・精神的な疲れが溜まることは覚悟しておきましょう。
人間関係がリセットされる
当然のことですが、転職をすれば新たな職場で人間関係を構築し直さなければなりません。
何でも話せる同僚や頼れる上司とも離れ、新しい職場で新しい人たちと少しずつ関係を深めていく必要があります。
コミュニケーション能力に不安を持っている人にとって、これは見逃せない転職のリスクとなるでしょう。
一方で、転職のきっかけが人間関係であったという人にはこれは大きなメリットになります。
一時的に年収が下がってしまう可能性がある
一般的に年収は「ポジション」や「年齢」、「実績」が軸となって決定されることが多いです。
転職をした場合、上記に加えて前職の年収額も考慮に入りますが、未経験職への転職である場合は前職ほどの年収は期待できないと考えておいた方が良いでしょう。
そして、会社で積み上げた実績も白紙になってしまうため、20代の転職は年収が下がってしまうリスクがあります。
年収を下げたくない場合は、企業の募集要項をよく確認するなどし、事前の対策をしておきましょう。
転職回数は3回から注意が必要
転職をする前に気にしてしまうことの1つとして、転職回数の問題があります。
転職って何回までならしていいんだろう?
今回で3回目の転職になるけど、やっぱり不利なのかな……
このような悩みを解決するために、「転職回数の客観的なデータ」や「採用担当者が気にし始める転職の回数」を見てみましょう。
まず転職回数から確認していきます。
図のように20代の転職回数は、「なし」の方が76%、1回の方が16%、2回の方が6%と複数回の転職をしている方は少ないのが実情です。
次に年齢別の転職回数と成功率のデータを確認してみましょう。
20代の転職は2回目から成功率が目に見えて下がり、3回目を迎えると転職の失敗率は6~7割まで膨れ上がってしまいます。
なぜかと言えば、転職回数が多いと「早期離職のリスク」や「スキル・経験の浅さ」が懸念されるためです。
しかし、逆に言えば6~7割近くの方が失敗していても3~4割の方は転職を成功させているとも言えますよね。
転職を成功させるためにも、3回目の転職を迎える20代の方は面接官を納得させられる志望理由をしっかり用意しておきましょう。
20代の転職体験談
最後に20代で転職に成功・失敗した人の体験談をご紹介していきます。
20代で転職した人の成功体験談
カテゴリー | 第二新卒 |
---|---|
転職経験 | 2回 |
きっかけ | リクルートエージェント |
20代で転職した人の失敗体験談
カテゴリー | 第二新卒 |
---|---|
転職経験 | 1回 |
Q:「転職活動中にやっておけば良かったと後悔していることは何ですか?またそれはなぜですか?」
A:自己分析です。理由は、自分がどういったキャリアビジョンを描いているのか不明確な状態で転職や企業を決めてしまうと、後で想像との違いにガッカリするからです。自己分析が大切だと思います。
Q:「転職活動前に不安に思っていたことは何ですか?」
A:これからどういった生活になるのか。しっかりと稼いでいけるのか。結婚も考えていたのでこれからの生活に対する不安が大半でした。お金がすべてとは思いませんが大切だと思います。
Q:「転職活動中で大変だったことは何ですか?」
A:キャリアビジョンが明確ではなかったので企業の絞り込みが大変でした。やりたいことは無いのにやりたくないことはたくさんあったので、ただただわがままな状態になっていました。転職エージェントの担当者さんも大変だったと思います。
Q:「転職活動中で大変だったことは何ですか?」
A:現職に就きながら転職活動をおこなったため、面接時間の調整や企業分析の時間を取ると睡眠時間が圧迫されて大変でした。また、エージェントを複数社登録したため、それぞれのやりとりにかなり手間がかかりました。
Q:「転職活動前に不安に思っていたことは何ですか?」
A:第二新卒にして転職2回目であったため、転職にあたってマイナスポイントになるのではないかという点です。また、転職希望地が遠方であったため、現地に行く必要があり費用面で不安でした。
Q:「転職エージェントを利用して良かったことは何ですか?」
A:在職中であったため、希望に沿った求人情報の選定や応募・採用の手続きを代行して頂きとても助かりました。内定を頂いてから承諾するまでの間にも、入社条件に対する交渉をして頂き、入社の不安がかなり軽減されました。