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地方企業の仕事にフルリモートで携わることができる

――JOINSの特長について、他の副業マッチングサービスとの違いや強みは何でしょうか。
大きく分けて3つあります。
ひとつは原則フルリモートでの副業が可能ということ。
2つ目に地方企業の案件が多く、様々な案件に関わることができます。
そして3つ目に、当社は比較的単価が高く、月平均10万円の報酬がベースとなっています。
そのため、「フルリモート・地方の仕事に関わる・報酬が比較的高い」この3つがJOINSの大きな特長になります。
また、当社は副業で働いている方が登録ベースで7割、残りはフリーランスで兼業での働きをおこなっている方になり、副業での働き方を中心とした方が活躍されています。
キッカケは「首都圏から地方へ人をつなげたい」という想い

――JOINS立ち上げのキッカケについて教えてください。
創業の経緯ですが、3年前に創業いたしまして、私自身はこれまでクラウドファンディングの会社で、スタートアップの創業期から12年ほど事業の立ち上げ・運営をやっておりました。
その時から地方の中小企業様がお客さんであり、そこから地場で300年続く酒蔵や旅館といった、長く続いているお客様と古くからお付き合いするようになり、大企業と比較して売上規模や社員数は少なくても、地域の大切なものである自然・技術・文化などの事業を通じて代々受け継いでいるこうした企業は、すごくスケールが大きいし格好いいと思うようになりました。
それ以来、今でも変わらず地域の企業を手伝いたいという想いがベースにあります。
前職では地方の企業に足りていないのはお金だと思い、クラウドファンディングを通じて首都圏からお金を供給することを考えていましたが、地方の企業が一番最初に必要なのはお金ではなく人材であることが分かり、「首都圏から人をつなぎたい」という想いで立ち上げたのがJOINSになります。
――JOINS立ち上げ時に大変だった点や課題などはありましたか。
リモートワークという観点でいきますと、「心理的安全性の高い環境をどうやって作るか」というのが課題となっています。
相手に対して自分が大事だと思うことを恐れずに伝えられることを「心理的安全性が高い関係」と言いますが、いい仕事をしていく上ではこの関係が必要不可欠なんです。
しかし、リモートで月に30時間など限られた時間ではなかなかこの関係性を作るのが難しく、そこを超えなければ多くのクラウドソーシング案件のようにスポットでしか業務を依頼できないような関係性になってしまいます。
ただ、企業側も一部の切り取られた業務を機械的に納品してもらうことだけではなく、その企業が目指していることも共感した上で一緒に手足を動かして働くことができるような人材を求めていることが多いこともわかってきています。
同時に、人材側も自分のスキルの切り売りみたいに消費されるような使われ方だけになってしまうことは望んでいないこともわかってきました。
そのため、リモートでつながる地方企業担当者と、人材の関係を作るところをどうサポートするかというのが我々の取り組んできた課題のひとつになります。
副業で自身の市場価値を確かめたい人が多い
――求職者の方々はどのようなキッカケや動機で地方企業に関わろうと考えられた方がいらっしゃるのでしょうか。
みなさんの関わる動機について人材の方々とお話を聞く中で分かってきたこととしまして、自分のやってきたことや自分ができることの市場価値を「個」として自分がどこまで役に立てるのか、「個」としての業務にお金を払ってくれる人がどれくらいいるのか、自分の市場価値を確かめたいというのが動機として大きいです。
今までは大企業として組織の中で仕事してきたと思いますが、それが個としての自分にどう報酬を支払ってもらえるかを考えている方が多いと思います。
多くの皆さんは、いわゆる社員として今まで自分の時間のセット販売をしてきていると思います。
そうではなくて、「自分にはこういう経験や実績があります」といったときに、自分の一部の時間を買ってくれる人がいるかどうか、そこを確かめたいというのがあるんじゃないかと考えています。
リモートで良い仕事をするには「心理的安全性が高い関係」が必要
――テレワークではコミュニケーションの難しさといった課題もあり、テレワーク副業をはじめて検討される方の中には不安を感じる方も少なくないと思います。JOINSではテレワークのコミュニケーションにおいてどのような取り組みをおこなっているのでしょうか。
先ほどの「心理的安全性が高い関係」というお話に繋がってきますが、相手の顔が見えにくかったりすると、その人との関係性が信頼し合えず、リモートで良い仕事をすることは難しいと思っています。
その「心理的安全性が高い関係」をどう作るのかと言いますと、当社では比較的短期間に関係が作りやすい方法を創業期から開発し続けておりまして、それを「心理的安全性プログラム」と当社では呼んでいます。
これは企業側と人材が面談する時に事前にやっていただくプログラムです。
具体的に面談で何をおこなっているかというと、好きなことを10個とか、自分が120%頑張ってしまうこととか、周りにされるとやる気が削がれることなど、個人の内面に関する質問をさせていただいて、それを企業担当者側と人材側両方に答えていただいています。
そして面談の前にお互い内容を開示し合ったうえで、問題が無ければ面談にのぞんでいただくという流れです。
これは、関係をうまく作るには面談の段階で確認することが大事だと分かってきたことにあります。
案件の契約後に関係を軌道修正することは難しいので、契約がおこなわれる前のタイミングで心理的安全性プログラムをおこなっております。
小さな成果が副業の継続につながる
――副業をやってみたけどうまく続けられなかったという求職者の方もいらっしゃると思います。副業をうまく回すために必要なポイントは何でしょうか。
副業を続けるには、最初のうちは短期間でできるだけ小さい具体的な成果を出せるようにすることが大切です。
小さい成功でもいいので、いかに早く作れるかというのが副業を続けるうえで必要になります。
――これは自身が副業をやっていくことができるかどうかの判断のためにも必要ということでしょうか。
そうですね。どちらかというと小さい成果を出すことは、その会社での居場所を作るためにも必要なことです。
周りの方から「あの仕事をやってくれた人だ」と認識されることが大切で、役に立てないままだとそこに居続けることもストレスに繋がります。
小さくてもいいから具体的な成果が出ていると、企業側も人材に対する認識がしやすくなると思います。
いきなり大きな仕事を始めても、例えば半年後しか成果が出ないとなると半年間役に立てているのか分からない状態になりますよね。
そのため、まずは小さい成功をいかに早く作るかというのを目指すことが大切だと思います。
我々もそこがカギだと思っており、小さな成功が企業側にも人材側にも大切であることが分かってきたので、企業側には最初の募集の段階でできるだけ小さいタスクを募集するようにしていただいています。
――一方で企業側が副業・兼業人材の活用で失敗しないためにはどのようなことが大切でしょうか。
頭だけじゃなく手足も動かして、一緒に泥臭い仕事をしてくれる人材を採用することがポイントとして大きいと思います。
手足のみを動かす受け身の仕事だけで十分に成果につながる企業は少ない印象です。
頭も動かしながら手足も同時に動かせるような人材を見つけることが大切になりますが、多くの中小企業にとってはまだそこが足りていないと感じます。
逆に言えば人材側は、こうした頭と手足を同時に動かせるような仕事ができれば市場価値としても高い人材になれる可能性があります。
副業を通して自分が望む働き方のスタイルを考える
――これから副業・兼業を検討されている求職者様、副業・兼業人材の活用を考える企業様にメッセージをお願いします。
企業側には2つほどポイントがあります。
まず1つ目は、現在副業したい方々がすごく増えているので、人材供給の方が上回っている状況になります。
募集をすればこちら側が人材を選べるように、副業人材は「買い手市場」であるので、今がチャンスです。
2つ目に、本当は優先順位が高くてやりたいのにできていなかった仕事などは、副業人材との相性が良いということです。
具体的にやりたいことがあるのに社内の人材が足りないままできていないことを、こうした副業人材を活用するとことで実際に成果を出している企業様が多くいらっしゃいます。
その観点で現在やりたいことができないままになっている企業様は、ぜひ募集だけでもしてみるのが良いと思います。
一方で人材側に関しては、今新型コロナウイルスの影響でリモートワークがOKな会社も増えたこともあり、仕事の選択肢が日本中に広がりました。
働き方もフルタイムだけじゃなく、時間軸でも物理的にも多様な自分の働き方という考えができるようになったと思います。
これをきっかけに、ぜひ外の世界に自分の市場価値や自分が望む働き方のスタイルについてニーズがあるかどうかを確かめてみてください。