
【この記事を監修した人】
- 保有資格:国家資格キャリアコンサルタント/国家資格2級キャリア・コンサルティング技能士/CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
- 高校・大学での就職研修講師、職業訓練校・就職支援センターでのキャリアカウンセリング、「マイナビ就職EXPO」「doda転職フェア」へキャリアカウンセラーとしての参加など、神奈川県を拠点に幅広く就職支援を行う。
- また、採用・昇進評価に関わる人事側からの的確な目線に定評があり、行政機関・民間企業から人材アセスメント(第三者判定)としての委託を複数受け持つ。
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目次
「28歳の転職は遅い?」2つの市場価値
28歳は30歳という区切りの年齢の手前であるため、「28歳の転職ってもう遅いのかも……」と不安になる方もいるのではないでしょうか。
しかし、28歳という年齢の市場価値を正しく把握しておけば問題ありません。
これからご紹介する2つの市場価値を理解し、転職活動で有効にアピールできるようにしていきましょう。
即戦力である
28歳1つ目の市場価値は、「即戦力であること」です。
20代半ばの場合、仕事にやっと慣れてきた頃合いのため、新しい職場で即戦力になるほどの力はついていないケースが多いです。
しかし、社会人としての経験を長く積んでいるこの年齢ともなれば、自分の仕事をこなすだけではなく後輩の指導や社内の環境にも目を向けられるようになってくる時期です。
転職先でも精力的に仕事をこなしていけば、後輩からすぐに頼られるような存在になることは難しくないでしょう。
もちろん、経験職種へ転職した際の話であり、未経験職への転職である場合はこの限りではありません。
ポテンシャルがある
28歳2つ目の市場価値は、「ポテンシャルがあること」です。
30代になると、中途採用に関する会社側の要望がマネジメント経験者・マネジメント候補者になってきます。
裏を返せば、30代のマネジメント未経験者をわざわざ中途で採用しようと考えない企業が多くなるとも言えます。
しかし28歳という年齢であれば、30代に突入するまであと2年という猶予があります。
そのため企業側としても、マネジメント候補者としてポテンシャルがある人を採用してくれる可能性があります。
面接の場のアピールとしては、現在の実力はどれくらいあるか、今後どのようにマネジメント職としての立場に就いていくかという点を明確にし、
「この人ならすぐに戦力になってくれそうだ……」
「すぐに成長し、中間管理職としての仕事をこなしてくれるようになるだろう」
と採用担当者に感じてもらえるような受け答えをすることが重要です。
28歳の転職を失敗しやすいのはこんな人
同じ28歳でも、転職活動に失敗して採用を見送られてしまう人と、転職活動に成功して歓迎される人に分かれます。
28歳の人材に求められる価値を理解しておらず、転職に失敗しやすい人の特徴を2つご紹介しますので、参考にして自分が当てはまらないように注意しましょう。
ポータブルスキルがない
28歳は即戦力であることがアピールポイントですが、転職先が異業種・異職種の場合、当然すぐに即戦力として働くことはできません。
しかし、「未経験からのスタートではあるが、少し慣れてきたらバッチリ仕事をしてくれるはずだ!」という見込みが立てば採用される可能性は高いです。
その見込みを作るのがポータブルスキルです。
【仕事の仕方に関するポータブルスキル】
成果をあげるために重要な行動 | 職務遂行上、特に重要であるもの |
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課題を明らかにする | 現状の把握 課題設定に先立つ情報収集の仕方や内容、情報分析など |
課題の設定方法 設定する課題の内容(会社全体、事業・商品、組織、仕事の進め方の課題) |
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計画を立てる | 計画の立て方 計画の期間、関係者・調整事項の多さ、前例の有無など |
実行する | 実際の課題進行 本人の役割、スケジュール管理、関係者、柔軟な対応の必要性、障害の多さ、成果へのプレッシャーなど |
状況への対応 柔軟な対応の必要性、予測のしやすさなど |
【人との関わり方に関するポータブルスキル】
対人マネジメントで重要なこと | 職務遂行上、特に重要であるもの |
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社内対応 (上司・経営層) |
指示に従う必要性、提案を求められる程度、社内での役割期待など |
社外対応 (顧客、パートナー) |
顧客、取引先、対象者の数、関係の継続期間、関係構築の難易度など |
部下マネジメント (評価や指導) |
部下の人数、評価の難しさ、指導・育成が必要なポイントなど |
ポータブルスキルとはその名の通り、持って歩ける=業種や職種が変わっても通用するスキルのことです。
スケジュールの管理能力や問題解決能力、対人スキルの高さなどはどのような会社に行っても役立つスキルです。
これらに代表されるポータブルスキルを持っていないと採用担当者に見抜かれてしまった場合、とくに28歳から未経験の職種に挑戦する人は、採用が厳しくなる可能性があります。
「自分にはそんなスキルはない……」と考えている人も、28歳まで社会人経験を積んできたならば、何かしらのポータブルスキルを保持しているはずです。
スキルの棚卸しをし、他の企業でも使えるスキルを自分がどれだけ持っているのか、よく確認しておきましょう。
自分の強みやスキルの整理が難しい場合は、リクルートエージェントやマイナビエージェントなどの転職エージェントで、アドバイザーと面談してみるのも良い選択肢です。
転職後のビジョンが見えていない
28歳という年齢では、その若さから将来的なポテンシャルを買った採用が決定することもあります。
しかし転職後のビジョンが形成できてないようであれば、育成枠としての採用も難しくなるでしょう。
「今後会社に対してどのくらい好影響を及ぼしてくれる人材なのか」を重要視して企業側は採用をおこなっています。
5年後のビジョンを尋ねられたときに、自分の目標だけではなく会社に対してどのくらい貢献できるかといった点についても話せるようになっていなければ、将来的なポテンシャルを評価されることもないでしょう。
年齢の割に視野が狭く、今後マネジメント候補者として検討しづらいと判断されてしまいかねません。
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28歳転職限界説を気にしなくてよい理由
28歳転職限界説という話を聞いたことがある人はいないでしょうか。
この転職限界説はさまざまな年齢で話題になりますが、28歳転職限界説に関しては気にする必要は無いと言えます。
30代に入ると20代のように将来性を評価された未経験の転職をすることは難しくなりますので、28歳の転職はある意味今後の人生を決定する大切な時期の転職となりますよね。
このように、28歳転職限界説とは、「30歳を迎える2年前の28歳時点でキャリアプランについてしっかり固めておこう」というだけの話であり、28歳を過ぎると転職できなくなるということではありません。
こちらのデータを見ても、28歳が限界どころか転職成功者の平均年齢は31.7歳となっており、それ以降の年齢での転職も一般的であることがよくわかりますね。
キャリアの積み方などに注意する必要はありますが、「〇〇歳になると転職できない」といった一般論よりも、自分の意志を大切にして転職活動をおこないましょう。
28歳の転職を成功させる3つのポイント
ここまで28歳の市場価値や失敗しやすい人の特徴をご紹介しましたが、次は転職を成功させるためのポイントをご紹介します。
28歳の転職を成功させる3つのポイント
- 自己分析をしっかりする
- これからの伸びしろと即戦力を同時にアピール
- 昇進自体よりも昇進した後に何がしたいかを明確に
自己分析をしっかりする
先ほど限界説で説明したように、28歳での転職は今後のキャリアを形成するための重要な年になりますので、納得の転職をするためにも自己分析は丁寧におこないましょう。
せっかく転職したとしても、転職先の業務内容に不満があれば、短期での離職をすることにつながりかねません。
「自己分析なんて今まで2回も3回もしているし、今更する必要を感じない……」と思っている人もいるかもしれませんが、後々の失敗を防ぐためにもこのタイミングで自己分析をし直すことをおすすめします。
これからの伸びしろと即戦力を同時にアピール
未経験の場合はともかくとして経験職種の場合、28歳の転職では、将来性の高さと即戦力であることが強みとなります。
そのため、これからどのくらい伸びしろがあるのか、なぜ即戦力になれるのかという理由を、面接の場では根拠を持って伝えていきましょう。
そこで必要なのが、これまでの実績と、それを裏付ける具体的な業務エピソードです。
「他者と比較してどのような努力を重ねて、どんな実績を上げられたか」
「即戦力になるために不足している能力は現在このように身に着けている最中である」
など、具体的なエピソードを下の図のようにアピールしてください。

異業種・異職種で転職をしようとした場合はとくに、他者との比較が無い実績をアピールしても、その実績がどのくらいのレベルなのかわかってもらえない可能性があります。
そのため、他者と比較した違いを見せることで、努力や工夫の度合いを理解してもらう必要があるでしょう。
また、違う会社に入ればその会社の仕事の進め方を把握して、業務に慣れてからでないと戦力にはなれません。
だからこそ、今までのキャリアと今回の転職先での仕事の違いをクリアにしましょう。
そのうえで、自分に不足している能力や知識を洗い出し、「不足している能力や知識をどう補っていくのか、今はそのために何をしているのか」を伝えられるように準備しましょう。
こうしたアピールをすることで、入社後即戦力として働いてくれると、採用担当者から確信を持ってもらえる可能性が高まります。
面接対策に不安があれば、転職エージェントを活用してみましょう。
昇進自体よりも昇進した後に何がしたいかを明確に
仕事への経験値が蓄積されてくる28歳頃にもなると、「昇進したい」、「マネジメントを早く経験したい」といった考えも生まれてくるのではないでしょうか。
しかし、面接の場などで将来のビジョンを述べるとき、「昇進したいと考えるのは当たり前」と企業の採用担当者が思っていることもあります。
そこでキャリアビジョンを問われたときに「マネージャーになって業績を引っ張りたい」と言っても、他の応募者もそう主張しているケースが多いため、ライバルと一線を画すアピールにはなりません。
マネージャーの立場にもなれば業績を上げるという気概を持っていることは当然であり、そこから「志望先の企業が競合他社と比べて不足していることは何か、それを具体的にどう補っていくのか」という、一歩先に踏み込んだビジョンを伝えなければなりません。
志望先企業をよく分析できている人なら、「この事業を強化すれば業界でも良いポジションが取れるはずだ」といったことがわかるはずです。
単にキャリアを積んで上の立場に立っていきたいというだけではなく、より具体的な話し方をすることで、業界・企業研究ができていることをアピールするだけでなく、将来性を期待してもらえ採用確率を上げることができるでしょう。
パターン別、28歳転職を有利に進めるコツ
28歳の転職と言っても、目的がキャリアアップなのか、未経験職種への転職なのかといった部分で転職の方法は変わってきます。
3つのパターンに合わせて転職のコツを紹介していきます。
キャリアアップを目指した転職
これまでの経験を踏まえたうえでのキャリアアップを目指した転職では、
- 今後どのようにスキルを伸ばしていくのか
- そのスキルをどのように会社へ貢献していくのか
- 5年、10年先の中長期的なキャリアプランをどう描いているのか
といった内容を考えておく必要があります。
キャリアアップと言っても、その目的は年収であったり、役職の立場であったり、仕事の幅であったりと人それぞれ違うでしょう。
そのため、面接の場では、「あなたの考えるキャリアアップとは具体的に何なのか」といった部分を聞かれる可能性が高いですので、事前に回答の準備をしておきましょう。
併せて「現在勤めている会社ではキャリアアップはかなわないのか」という質問をされることもあるでしょうから、なぜ志望先の企業でしかキャリアアップができないのか、明確な答えを用意する必要があります。
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未経験異業種への転職
28歳という年齢で異業種への転職を考えている場合、どのようにすれば転職を有利に進められるのか解説していきます。
異業種でも活かせる仕事のやり方・長所を発見する
まずは面接の場で十分なアピールをできるように、自分の長所や、志望先の異業種でも活かせる仕事のスキルは何かを知っておきましょう。
ポータブルスキルなど、現在の仕事に取り組みつつ、転職先の仕事に活かせるスキルはないかを確認し、退職までの期間に磨きをかけておいたり、身に着けておいたりすると良いでしょう。
アピールする長所については、志望先の職場で求められているものであると効果的です。
よくわからない場合は、転職エージェントを介して応募先の職場で活躍している人の特徴などの情報を聞いてみるのもおすすめです。
転職エージェントは転職希望者をサポートする担当と、企業への営業担当に分かれていることが多く、応募先の企業に詳しいのは企業への営業担当です。
担当の転職エージェントを介して、志望先の企業への営業担当の方へ、応募企業の詳細な情報を調べてもらえるように依頼しておくと有益な情報を集めることができます。
そのうえで志望先業種で活躍している人の特徴と自分の長所が合致する部分を見つけてアピールすれば、応募先の企業に今後自分が活躍している姿をイメージしてもらえる可能性が高くなります。
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スキルなしからの転職
28歳時点でスキルがなくても転職したいと考えている人の場合、人柄だけのアピールでは勝ち上がれない可能性が高いです。
そのため、スキルを身に着けようとしている行動自体をアピールするようにしましょう。
資格取得
まずはその仕事に関わる資格を取得し、実務経験はないけれど知識がある状態まで持っていきましょう。
そうすることで、スキルがまったくない状態で応募するよりも、資格を取得してまでその仕事に就きたいのだという熱意と行動力を理解してもらえます。
資格でなくても関連するスキルを取得
転職先として考えている仕事に該当するような資格がない場合は、関連するスキルを身に着けることでカバーをしていきましょう。
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また、自分ではスキルを持っていないと思っていても、自己分析をしてみると志望先の仕事に役立つ特性を持っていることもあります。
うまく自己分析ができない場合は、転職エージェントで他己分析をしてもらい、魅力の伝わりやすいエピソードを選んでアピールする練習をしておいてください。
28歳の転職・女性が気をつけたいライフイベント
28歳という年で転職をする場合、女性は結婚や出産といったライフイベントにも注意を払いましょう。
特に結婚している場合は出産、育児に関して懸念されることも多いです。
この章では、28歳の女性が転職をするとき、注意が必要なポイントについて詳しく解説していきます。
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ライフイベントを控えていることを明確に伝える
28歳の女性の場合は、転職の際、面接で結婚・出産・育児と仕事のバランスをどう考えているかを問われることも多いでしょう。
転職してすぐに妊娠した場合、まだ仕事の成果を上げられないうちに産休に入ってしまう可能性があります。
育児は女性にとって大切なライフイベントですが、産休や育休の間、仕事に入れないことを考えると、受け入れが難しいと考える企業もあるでしょう。
既に結婚をしていて転職活動中の場合は、「仕事と家庭をどう両立していくつもりか」ライフイベントを明確に伝えることで、企業とのミスマッチを防ぐことができます。
仕事と子育てのバランスを取れる計画を立てる
仕事と育児をうまく両立しようとすると、
- 両親のサポートが受けられるのか
- 時短勤務は可能なのか
- 子どもを預けられる保育園はあるのか
こういった子育てサポートを受けられるかどうかということも重要になってきます。
経験職種での転職ならまだしも、未経験での転職だと会社の戦力になれるまでにはどうしても時間がかかります。
可能であるならば、異業種転職の場合は転職して数ヶ月といった期間で産休・育休に入るのではなく、「ある程度仕事を覚えて戦力になれるくらいまでは腰を据えてしっかり働く」という見通しを持ったほうがおすすめです。
そのほうが産休・育休というブランク明けでも、スムーズに仕事に復帰できるでしょう。
入社先企業で活躍できる状態をアピールするためにも、仕事と育児を両立できる体制を整え、どのようにキャリアを積んでいくかの計画を伝えて、準備万全の状態でいることを面接では伝えておくとよいでしょう。
入社前におこなった準備をアピールする
異業種への転職、または入社後1年などの短期間で出産を考えている場合は、入社してから即戦力として業績を上げていくための準備を採用担当者へ伝えしましょう。
これまでの実績は当然のこと、事前に勉強している知識やポータブルスキルとして活かせそうなものを強くアピールすることが重要です。
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