目次
YOUTRUSTの特徴とは?
転職サイトやマッチングサービスには無いメリット
――YOUTRUSTのサービスについて、よくある転職サイトやスカウトサービスと異なり、「友人」やそのつながりから仕事のオファーが届く仕組みということですが、これはどういったところが求職者のメリットになっているのでしょうか?
岩崎:いわゆる採用プラットフォーム・転職マッチングサービスは「転職しよう!」というタイミングではじめて登録して、転職したら一切使わなくなるといった感じだと思います。
YOUTRUSTは「キャリアSNS」なので、転職を全く考えていない時からでも利用してもらうことで、そこまでホットじゃないけど良い案件があれば、「一度話を聞いてみたい」、「お試しで副業してみたい」といった温度感でも使えることがメリットとして感じていただいています。
また、ずっと自分のプロフィールがSNSで蓄積されていくので、いざというとき「転職意欲」を変えるだけでスカウトが来るというのが求職者の方のメリットになっていると思います。
――転職意欲とはどういったものでしょうか。
岩崎:登録いただいたときに、転職意欲と副業意欲を選択してくださいという4段階の質問が出たと思います。
これを例えば登録から一年後に「そろそろ転職しようかな…」と考えている人が転職意欲のステータスを変更するだけでオファーが届きやすくなります。
普通の転職サイトや副業のマッチングサービスって履歴書作成など毎回準備が面倒で、かつ取り繕うこともできてしまうんですけど、YOUTRUSTの場合はサービス上に蓄積しているプロフィールや日々の投稿・誰とつながっているのかがそのままリファレンスになります。
なので、転職・副業の意欲を変えるだけで友達やその友達の友達から仕事の連絡が入ったりするんです。
また、自身のプロフィールを書いていなかったとしても、友達やそこにつながる友達からオファーが届くシステムなので、たとえ10年後に転職意欲アリにしたとしても「あの人今転職したがってる!」という感じで知り合いからのオファーが入る可能性もあります。
「信頼される人が報われる転職市場に」という書き方をしている通り、「あの人ともう一度働きたい」という人がいれば、意欲が分かるだけで仕事の声がかかるという仕組みのSNSになっています。
登録者の転職・副業に対する意欲の現状
――現在登録されている企業側と求職者側、それぞれで副業と転職の意欲はどんな感じですか?
岩崎:企業側は「正社員を採用したい」というところが多いです。
一方で求職者は「副業をやりたい」という方が多いですね。
ここのねじれはチャンスかもしれません。
――企業側はうまく副業をやりたい方を取り入れることがチャンスになるということでしょうか。
岩崎:そうですね。私たちのお客様にも多いですが、「お試し就職」と呼んでいるエントリーの仕方をされる方々が増えていて、最初は副業で始めてもらって、仕事ぶりやチームとの相性を見ながら「正社員どうですか!?」とオファーする事例も聞くことが増えてきました。
佐藤:今は企業様でも完全に副業がNGというわけではなくて、むしろ副業をやってほしいと思っているところも多いですね。
コロナなどの影響で「活躍するか分からない方を採る」ではなく「本当に必要な方を採用したい」という流れもあり、副業という形で入ってもらうことでお互いのミスマッチを確かめられる良い機会になっていたりするので、「正社員は欲しいけどあえて副業で依頼する」という企業様も増えています。
きっかけは前職時代の中途採用担当の経験と転職活動から
――このサービスを始めようとした背景や経緯・狙いなど教えてください。
岩崎:私自身前職時代は中途採用の担当でした。当時転職エージェントさんにもすごくお世話になっていたんですが、エージェントの紹介する案件のカラクリに気づいてしまったんです。
転職エージェントさんって紹介手数料を企業から受け取る仕組みになっていて、例えば年収1,000万の人を転職させたら35%の紹介手数料として350万の手数料をもらいますという契約でやっています。
ここで採用予算のある会社は求職者を優先的に紹介してもらうために、エージェントの紹介手数料を高く設定します。
エージェントは個人の売上目標もあるので、紹介手数料が高いところだけを紹介してきたり、仮に内定をいくつかもらっても紹介手数料の高いところだけおすすめしてしまう、構造的な歪みがあることに気づいてしまったんです。
その転職活動って、その人の人生に関係ないエージェントへの実入りの多寡で、気づかないうちに判断されてしまっているんですよね。
自分もいざ転職活動をし始めた時に、お世話になったエージェントに登録したら、やっぱり紹介手数料の高い所ばかりすすめられました。
なので求職者サイドがフラットに、自分の人生を自分で選択できる転職の方法がないかなと思いついたのがYOUTRUST立ち上げのきっかけです。
これからの課題は「副業に一歩踏み出してもらうためのアプローチ」
――YOUTRUSTの現在の課題などを教えてください。
佐藤:副業未経験という方はまだまだ多いのですが、じつは今副業未経験でもYOUTRUSTに登録されている方は多く、その方々が一歩踏み出すためのアクションをこれからどういう形で提供していくかというのが課題になっています。
例えば「副業の探し方が分からない」といったケースが非常に多く、今までは副業ってクローズなものという形でとらえられてしまっていて、副業してることをあまりオープンに話す文化ではなかったので、そのあたりのアプローチが今後の課題と考えています。
副業が転職の一歩手前にあるものなんだということを業界のリーディングカンパニーとして啓蒙活動のようにやっていかなければいけないと思っています。
「面白い仕事をするならYOUTRUST」という反響
――リリースから現在まで、YOUTRUST利用者からの反響はどうでしょうか?
岩崎:求職者からは、転職・副業意欲を変更するだけですぐオファーがかかるのはすごく良いという声をいただいてます。
一方で企業様からは返信率がかなり高いことに評価をいただいています。
一般的なスカウトサービスの返信率が5%くらいしかないんですが、YOUTRUSTは友達・もしくは友達の友達という距離感というのもあり、返信率も60%くらいあるので効率よくアプローチすることができます。
求職者側からすると良いスカウトや良い案件が来るので、「面白い仕事をするならYOUTRUTST」という意見をいただいています。
YOUTRUSTリニューアルのこだわりポイント
――2020年7月31日にYOUTRUSTが大規模リニューアルをおこなったとのことですが、リニューアルのこだわりやポイントを教えてください。
岩崎:ポイントは2つあって、1つは「日常的なSNSとして使っていただける」というところです。
投稿欄や友達とつながる動作という、よりSNSっぽい要素が強化されています。
もう1つは色々な副業サービスがある中で、見た目から伝わる雰囲気が大事だと思っているので、そうした見た目の「王道感」といった部分をキーワードに変更しています。
コロナ後で副業意欲が増加|企業側も副業社員の受け入れ体制づくりがカギ
――副業に対する意識について、ここ数年で求職者の副業への意欲または企業側の副業解禁など目に見えて変わったことはありますか?
佐藤:副業の意欲を高めに設定されている方はYOUTRUSTの数字としても増えています。
アンケート調査※をおこないましたが、コロナ前と後を比較して副業意欲が高まったと答えられた方が約48%いらっしゃいました。
また、「副業が認められていない企業は就職先として魅力的でない」といったアンケート結果※もでていまして、副業するしないは別として、「副業の選択肢が取れない状況はあり得ない」という考えの方が特にインターネット企業を中心に増えてきています。
実際にYOUTRUSTのサービスの数値としても、ユーザー登録数やマッチング数というところから如実に出ているのを感じます。
――企業側も副業を前提とした求人の募集に変わってきているのでしょうか?
佐藤:まず、ユーザーの動きとして単に副業で収入を増やしたいのではなくて、次のキャリアのステップにしたい、自社では経験できないことを副業で経験できるととらえている方が増えています。
そのため、企業側はそういった社員や候補者が増えてきたこともあって、会社としての魅力度を高めるために少なくとも自社の社員には副業していいという制度を整えて、副業社員をいかに受け入れる体制を作るかということがテーマに変わってきていると思っています。
また、2018年には副業解禁元年と言われて社員側での動きはありましたが、今年は副業を受け入れる側の動きも進んできたので、「副業受け入れ元年」なのかなと感じでいます。
※参照:PR TIMES|副業を認める企業に対して「より魅力的に感じる」人は6割以上。 一方、副業を認めない企業に対する魅力度は6割超が「低下した」と回答 | 副業に関する実態調査
これからは雇用ステータスの境界線がなくなっていく
――今後、転職市場はどう変化していくと考えますか?
岩崎:転職活動というものがなくなるかなと思っています。
実際に今、いわゆる履歴書をもって職務経歴書を作って「はじめまして、面接お願いします」という従来の転職活動をしない人たちが増えているんですよね。
本業でやっている最中に、お友達から声がかかって副業をやっていたつもりが、気が付いたら転職してました、みたいな。
今後はどう考えても労働人口が減っていく、日本においては少子化が進んでいってどんどん働ける人たちが減っていく、となったら優秀な人の取り合いが加速していくことは明白です。
なので企業視点では、会社は応募が来た人を捌くという感じではなく、人材を採りにいくという動きをせざるを得ないので、結果として求職者は、従来の転職活動のように自分から履歴書をもって面接に行くという動きは減っていくと思います。
さらに今後はキャリアとしても「正社員でなければならない」といった境界線はどんどん溶けていくだろうなと思っていています。
プロジェクト単位でこれをやりますとなったら、「過去に一緒に働いたあの人を呼ぼう」とか、「あの人が紹介してくれた人が来ました!」というようにプロジェクトを中心に人材が集まるようになると思っています。
そのプロジェクトにあたっての雇用形態は正社員かもしれないし、業務委託かもしれないしアルバイトかもしれない。
でもそんな雇用形態なんてみんな気にしなくなる世界になると思います。
――なるほど、正社員やアルバイトといった境界線がなくなっていくんですね。
岩崎:今も実際に「どっちが副業と本業だっけ(笑)」みたいな副業の仕方をする方もいらっしゃいます。
YOUTRUSTの中でも副業で動いていただいてる方がいらっしゃいますが、ぶっちゃけ本業より副業の方が楽しいという方もいらっしゃいます。
そのため、ステータス関係なくプロジェクトチームとして必要なメンバーを必要なタイミングでアサインするというのが今後の主流になるかと思います。
転職や副業を今考えている方に向けて
――今転職や副業を始めようか悩んでいる方に向けて、アドバイスをお聞かせください
岩崎:副業というとお小遣い稼ぎみたいに聞こえてしまうかもしれませんが、これからの副業はしっかり選んでするべきであると考えています。
副業とはいえ大半は業務委託契約という基本的には責任を伴う仕事を受けることになるので、その仕事が面白いとか自分のキャリアの足しになるというものでないと、ただの時間の切り売りで終わってしまうと思います。
とくに副業は本業とちがって「あったらいいもの・なくてもいいもの」なので、厳選して選ばれるのが良いと思います。
「お金が稼げそうだから」と思って片足突っ込んでみたら、ややこしい業務だったというのはよく聞く話なので、自分が今のタイミングでやるべき副業なのかというのはよく検討してから始めるべきであると思います。
――自身のキャリアに合わせて副業を選択していかなければならないということでしょうか。
岩崎:そうですね。なんのために副業をするのかというところを考えてほしくて、単純にお金のためにやるのだとしたら、本業で頑張って年収を上げた方が早いと思います。
一方で本業ではできないことを副業としてすべきでしょう。例えば中国語の案件を昔やっていたけど今は使わなくなっちゃったから、副業で中国語の案件をやって言語能力が衰えないようにやっていくとか。
エンジニアの方なら元々やっていた言語と本業の言語が違うから、昔の言語が鈍らないように副業で使うとか、新しい言語が使えるから副業をしてるとか、何かしら今後のキャリアのためになるような興味関心がある領域についてコミットするという方が多いです。
お金のためにやってる副業ってほとんど続かないし、成果もでないことがほとんどです。
その結果がその人のリファレンスになるので、成果が出なかったことが噂として伝わって本人の見えないところで選択肢や可能性が削られることもあるので、ちゃんと成果が出せるかというのも重要だと思います。
最後に
佐藤:YOUTRUSTは副業・転職を考えられている方はもちろんですが、「今はまだ転職も副業も考えていない」という方にこそ使ってほしいです。
自分で書くプロフィール欄だけでなく友人同士で紹介コメントを書き合う機能があり、この紹介コメント欄が増えていくことでプロフィールが埋まっていくという設計になっています。
そのため、紹介コメント欄が真っ白な状態よりも普段からコミュニケーションをおこなって自分のプロフィールを厚くしておいた方がチャンスも広がるので、転職を意識し始めた方にこそぜひ使ってほしいと思います。